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素人SS
- 20 :名無子(ななこ) : 05/12/03 18:13:54 ID:???
- 「ねこのそらみみ」
第一章 ソラミミ
────────昭和63年────────
「なんだ・・ソラミミか。」
「いやいや、空耳じゃないし。おれがいったんだし。」
「だからー。『なんだソラミミが言ったのか』っていったんだよ!まったくややこしい…。」
「いやいやいや、そのあだ名あんたらがつけたんだろ…おれにいうなよ…」
その少年は「ソラミミ」と呼ばれていた。理由は見た目と声とのギャップがあって、
彼が言葉を発すると、誰が言ったのか分からなくなって「空耳かな…」ってことになるとか。
そんな彼がある日お風呂屋さんから帰るときでした。
一匹の黒い猫がまえを通り過ぎようとしました。
彼は「黒猫が前を横切るとふきつだっていうなぁ・・・なんとしてもよこぎらせまい!」
と、猫の行く先にさき回りしようとしましたが、ねこも追いかけられているのだとかんじて必死で逃げます。
あげくの果てにねことソラミミの追いかけっこ。
猫に巻かれて、気がつけば…
「あれ?ここは………」どこ?
冷静になってよくみると何か違う。
「あの・・・ここはどこですか?」
駅で聞いてみた。
「ここですか?ここは長束島の7丁目ですよ?」
「え・・・愛知じゃぁ・・・ないんですかぁ!?」
「愛知?どこ? それにしてもあんた、へんなかっこうしてるねぇ。」
周りを見渡すと着物やら国民服やら・・・路面電車にボンネットバス、看板建築に・・・
ほとんど木造でぽつんぽつんと鉄筋コンクリートのたてものがあるだけだった。
ソラミミはどうやら不思議な場所にきてしまったようでした。
1章 おわり
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