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素人SS

43 :空耳=ケーキの法則◆830MIMi83o偽 : 06/05/22 21:28:51 ID:???
第五章 黒い空

空耳は島の海岸から旅立つYAMATOをみえなくなるまでながめていた。
海はキラキラと輝いていた。その海に黒いYAMATOの陰影・・・

「そろそろ港にもどろう。」
最上に促されて二人は港に戻った。

帰る途中だった
町からサイレンの音が聞こえた。

「空襲警報だ!急ごう!」

町には人っ子一人いなかった。
「遅かったか!一応防空壕へ入ろう!」

「え?なんですか?地下には入れないんですか?」 
「あれを見ろ。締め出されたようだ。大方、みんなはもう地下だろう・・・。」

非難完了  図書館にまえの地面から突き出した電光掲示板のようなものにかいてあった。

「ごめんなさい・・・僕がもっとずっと船を見ていたいっていったばかりに・・・。」
「いいよもう・・・俺もうかつだった。それより。はやく防空壕へ。」

二人は山にある広い防空壕に入った。入り口には「入るな危険」とかいた看板があった。

「ここは昔はボーキサイトの採掘場だったそうだ。はいるな危険とは書いてあるが、防空壕になっている。」
「本当にごめんなさい・・・・。死んでも化けてでないでください・・」
「バカ。俺がしんだら、おまえもしぬだろう・・・・。まあだいじょうぶだ。」

暗い洞窟と、外の風景・・海や空のまぶしく輝いて入る様子のコントラストが美しかった。

洞窟の壁が縁になってまるで生きた絵を観ているようだ・・・。

しかし海の向こうから黒い影が迫ってきた

「爆撃機だ!」
「ついにきたか・・。」

影はぐんぐんと迫ってくる。  

島にさしかかってしばらく、爆音も聞こえてきた。
沿岸の上空で爆弾が爆発している。そして爆撃機も・・。
数を減らしながら、それでも空を覆うほどの機体がこちらに向かっている。
そして・・・


爆撃機はすぐそこまで来た。

「すごい量だな・・!こっちにくる!一応伏せておけ!」

爆音とともに爆撃機がこちらに影を落とした。上空で爆発音が聞こえる

「もう大丈夫だろう・・・何とかふせいだようだ・・」


そのときだった

パラパラ・・・   ガシャーン!!ガラガラ ズズズズズ・・・・。。。  ドーン!!

上空からバラバラの機体が落ちてきた。メラメラと燃えている。
機体から血だらけの男がはいつくばって出てきた。

「Help me ....」

そういうと腕と頭をガクリと垂れた。


「これが・・・戦争。。。。。」

「そうだ。これが戦争だ。彼自身には恨みがない。そして彼らも私たち自身にうらみはない。
 しかし殺されなければこちらが殺されるのだ。そしてまた憎しみが生まれる。
 憎しみの果てにいったい何が生まれるというのか・・・。」


空耳は涙ぐみながら歯を食いしばった。

「悲しい・・・人間って・・・・。」


そのときだった。洞窟の奥から人影が現れた。


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