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素人SS

48 :空耳=ケーキの法則◆830MIMi83o偽 : 06/05/27 01:09:57 ID:???
第七章 帰還


チリン  チリ──ン・・・・・・・・リ─ン・・・

汗をぐっしょりとかいていた。
ほんのりと色づいた夕日が、畳にすだれの影をうつしている。
ひぐらしの鳴き声もきこえる。
懐かしい風景だ。

「ここは・・・・・・・・・・・俺の部屋か・・・」

(はぁ・・・夢か・・・・・・・)



だが、目を下にやると手の横に着物と眼鏡がしっかりあった。

(まさか・・・・・・)

ふりかえると、最上も横で気を失っている。
そして畳の上で黒猫がこちらをみつめている・・・

「にゃぁー・・・」

「ああ・・・夢であってくれ・・・」

再び空耳は意識を失った。




「おーい・・・しっかりしなさいよ・・・。」

目を覚ますと目の前に顔・・・・・例の女だ。

「うわぁ!い・・いきなりアップ!!」
「やっと起きた。なんでまた寝ちゃうのよ。」

「あの、今は何時?ですか?」
「今は10時。アレから3時間も寝てたのよ?最上くんは散歩にいったわよ。様子を見に。」
「・・・・・は、はぁ、そうっすか・・・。でもあなたはかっこよく姿をくらましたばっかりじゃ・・・」
「う〜ん・・・狭くて汚いけど、この部屋の雰囲気は気に入ったわ。」
「・・・聞いてないし・・ってか、気に入られてもなぁ・・」
「あ、いってなかったっけ?今日から最上君と私もここに泊まるから。」

「・・・そうっすか・・・・・・って!!!!はぁえぇ〜〜〜〜!」
「だめ?それともぼうやには刺激が強すぎかしら?」
「いや(それもなくはないけど)それよりこの狭い部屋で三人は。。。。しかも猫と」
「猫?あーあの黒猫さんは数えなくていいのよ。」
「あの黒猫さんってあなたじゃないんですか?」
「へ?私は人間よ?ああ・・着物の下に隠してたけど、あの黒猫は特殊な力を持ってる以外は普通の猫よ。」
「え?じゃああの時消えたのは・・・(特殊な力持ってる時点で普通の猫じゃないじゃん・・・)」
「ああ、あれは洞窟の奥に走って行っただけよ爆発の勢いで着物とかが脱げちゃったのは誤算だけど。」
「じゃあ、飛行機の兵士が消えたのは?」
「あーもう!そんなのしらないわよ!うるさいこねぇ。 それにしてもまさか猫が人間に化けると思ったなんて。
クスクス  (いつの時代の人間なのかしら、かわいいこと・・・)」
「ばかじゃない・・ばかじゃないですよ!?(異世界に飛ばされたらそれくらい信じるよ・・・)」

ガチャッ

そのとき最上が帰ってきた。

「ただいま〜」

さっき見たときは着物を着ていた最上は、今は黒いジーパンに今風なカッターを着ていた。

「あれ?服かってきたんですか?」
「ああ。今の時代に合わせねばな。古着屋で買ってきた。」
「お金は・・・まさか」
「いやいや。タンスのお金はつかってないよ。持ってた懐中時計を売ったら結構なおかねになった。」
「ちゃっかり人の部屋あさって・・・・・」
「似合ってるわよ。えっと・・・24くらいにみえるわね。」
「え!?私・・・・・22ですから。」
「・・・・・・・・(ふけてる)」
「・・・・・(どうみても30前だ・・・)」

「あ、そういえば私の自己紹介してなかったわね。私は 水無月あやめ。みなってよばれてます。」

(謎が多い女だなぁ・・・。)


こうして三人の生活は始まった・・・・・・。 つづく



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